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2022年05月23日

「注文住宅は“付加価値”で売る時代に」市場動向

mba2021年度(2021年4月~2022年3月)の
住宅着工戸数は895,909万戸。

前年からは6.6%の増加となりましたが、
コロナ禍の影響が大きかった2020年度の
住宅着工は大きく落ち込み、
そこからの反動で増加に転じたということです。


持家は頭打ち、建売分譲は「買いやすさ」で堅調推移


持家着工は28万戸台に回復しましたが、
消費増税の影響で落ち込んだ2014年度の
27.8万戸を少し上回る程度で、
2021年度は下期に失速しました。


2022年1月・2月の持家着工は2万戸割れとなり、
2ヶ月連続で単月2万戸を下回ったのは
2020年1月・2月以来のことです。


2022年3月も単月で20,246戸と
2万戸を少し上回っただけで、
3月としては過去最低水準の着工戸数となりました。


2020年度はコロナ禍というイレギュラーな年、
2021年度はそこからの回復の年ではありましたが、
持家着工戸数の伸びはもう頭打ちで、
2022年度からは本格的な市場縮小期に入る
という見方もできます。


一方、2021年度の低層分譲住宅(≒建売分譲)
着工は147,131戸で、前年から11.1%増加しました。


飯田グループやオープンハウス等の分譲大手は、
コロナ禍の2020年度は
土地の仕入れ・新規着工を控えて在庫の販売を
優先していましたが、
2021年度は販売用物件の仕込みを再開したことが、
低層分譲住宅全体の着工戸数増加につながりました。


住宅着工の推移を見ると、
持家の減少に比べると
低層分譲住宅の減少のカーブは緩やかで、
比較的安定していることから、
一定の需要を保っていると伺えます。


さらにコロナ禍を経て、
自由設計の注文住宅で
こだわりの家づくりを叶えるよりも、
価格が決まっていて条件で選ぶ建売分譲の需要は、
以前よりも高まっていると見られます。


特に価格を優先する客層は、
ローコストの注文住宅ではなく
建売分譲でも十分満足でき、
一方で注文住宅は所得の高い客層向けのものとなる
二極化が進みそうな予兆が感じられます。


総合住宅展示場来場客の年収・予算は上昇


住宅展示場協議会では、
総合住宅展示場の来場者にアンケートを実施し、
来場者の住宅計画及び総合住宅展示場の
利用実態を分析しています。


今年2月に発表された
「総合住宅展示場来場者アンケート 2021」の
調査報告書によると、
来場者の【平均世帯年収】は過去10年で最高額の
783万円、2018年から4年連続の増加となりました。


34歳以下の若年層と、
35~49歳の中年層・50歳以上の熟年層との
年収の差は開き、2021年調査では
約160万円の差があるものの、
若年層の平均年収も上昇傾向にあります。


【平均建築予算】も前年調査から大きく上昇し、
2,665万円で過去最高となりました。


直近5年間では200万円以上上昇しています。


若年層は2,681万円、
中年層が2,641万円、
熟年層が2,706万円と、
年代ごとの差は縮まってきています。


この調査結果から推測されることは、
主に総展に出展しているハウスメーカーで
家づくりを進めるのは、
一定の所得がある客層に限られてきていて、
それに合わせてハウスメーカーの住宅の価格が
高額化してきているということ。


そして、総展以外で家づくりを進める客層や
建売住宅を買う客層との間で、
所得・住宅予算が二極化してきている
ということです。


注文住宅市場での生き残りのカギは?


「ローコスト≒建売分譲」、
「中高級≒注文住宅」という二極化が進めば、
「ローコストの注文住宅」というジャンルの
存在価値が薄れます。


《価格》を優先する客層が建売分譲に
シフトしていくのであれば、
注文住宅は《価格》ではなく
《性能》や《デザイン》の付加価値で
差別化する必要があるでしょう。


特に現在は、
昨年からのウッドショックから始まる
各種建築資材の価格高騰により、
適正な利益を確保するためには
住宅の販売価格を上げざるを得ないという状況です。


価格が上がると売りにくくなるのでは
という懸念があるかもしれませんが、
何処の住宅会社でも条件は大きく変わりません。


全体の価格が上がれば、
自社の建物の販売価格だけが
相対的に割高に見えるということはないはずです。


また、エンドユーザーは
1年前の価格と現在の価格を
比較するわけではありません。


ウッドショック前でも後でも、
その時に出された見積を見て、
各々が建物に求めるものと予算に対して
適正であるかで判断するものです。


ローコストの値引き合戦で利益を削ることは、
経営を圧迫することにつながります。


資材価格の高騰は、
ローコストから脱却して商品構成や
粗利の設定を見直す良い機会であると、
ポジティブに捉えても良いかもしれません。


注文住宅は、
利益を削って価格を抑えて数を売るのではなく、
他社にはない自社の強みによる“付加価値”で、
1棟当たりの利益を高める
という方向に向かっていくべきと考えられます。

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