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2019年12月16日

5年後、10年後を見据えたビルダー生き残り策【2】経営・人材育成

mba住宅市場が本格的な縮小期に入りつつある現在、ビルダー・工務店は5年後、10年後を見据えた経営戦略を考えるべきときにきています。前回は客層の幅を広げ、人材育成にもつながる「マルチブランド戦略」について解説しました。

営業スキルの平準化

企業が長く事業を継続するためには、新しい人材を採用し、将来の幹部候補として育て、現経営陣やベテラン社員の思いやノウハウを継承し、社員の構成を新陳代謝し続けることも必要となってきます。中途採用で住宅会社の経験のある即戦力を採用しつつ、新卒社員の採用に力を入れ始めているビルダーは増えてきていると思われます。この場合、新卒社員の営業スキルを高めて一人前の戦力になってもらい、チーム全体の営業力を早期に平準化することが課題となります。

新人営業マンのスキルを上げるには、先輩のやり方を見て学び、ロープレを徹底して体で覚えさせるという方法もありますが、こうした職人的な育て方は今の若い年代には肌が合わないでしょう。OJTやロープレを実施する一方で、基本的な商談の進め方や営業トークはマニュアル化しておくべきです。ゆとり世代は自分で考えることが苦手で、楽な方法を追求する指示待ち人間と言われますが、最低限これだけこなしていればOKということは素直に実行してくれます。もちろんそこからの応用は必要ですが、最低限マニュアル通りの進め方ができれば、新人の営業力をボトムアップでき、営業力の平準化に近づけられます。

営業マニュアル作りの基本は、商談のスタートからゴールまでの段階ごとに細かいステップを設け、各ステップの着地点を決め、必ず説明すること・必ず確認することのチェックポイントを作ることです。例えば初回接客を終えた営業マンの店長への報告や営業会議の際に、不足しているチェック項目があれば、そこは次回までに必ず説明・確認しなくてはならないということが明確にわかります。その営業マンが弱い部分、不足しているスキルを知ることができ、適切な指導をして改善することができます。マニュアルはそのまま営業に使うアプローチブックの形に落とし込むのが良いでしょう。

さらに言えば、アプローチブックは紙よりも、新しい情報を営業マン全員で一遍に更新しやすいようにデジタル化し、接客時にかさばらないタブレット端末を使うほうが効率的です。また、このタブレット端末に入れる営業ツールとして、動画コンテンツが効果的です。動画は文字や画像よりも記憶に残りやすく、多くの情報を伝えることができます。営業マンのスキルに左右されず同じ内容を伝えることができ、演出次第で強い印象を与えることができます。コンテンツとしては、これまでに引き渡したOB客の引き渡し式などの感動の場面や、自社の強みを第三者に語ってもらうような動画が効果的です。


ビルダー同士のポジティブなグループ化


来年1月には、トヨタ自動車とパナソニックの住宅事業統合会社“プライムライフテクノロジーズ”が設立され、パナソニックホームズ、トヨタホーム、ミサワホーム等がその傘下に入ります。ここ数年の間で、ハウスメーカーによる異業種との業務提携や、大手ビルダーによる中小ビルダーや異業種のM&Aの話題は多く、住宅会社のグループ化、合従連衡が進んできています。今年9月には秋田県No.1ビルダーのサンコーホームと、山口県No.1ビルダーのファーストホームが、中古マンションの買取再販を手掛けるホームネットのグループ会社となりました。サンコーホームは経常利益率5%内外、ファーストホームは10%内外を推移してきた高収益ビルダーで、両社とも無借金経営でここ数年は売上を拡大してきた有力ビルダーです。

ただし、この2社の営業エリアは大都市圏から外れたローカル県であり、人口減少・住宅市場縮小が進んでいるため、仮にシェアを維持・拡大できても売上増加には限界が訪れます。そこでホームネットと組むことで、中古リノベや不動産取得のノウハウを事業領域の拡大に活かし、グループのスケールメリットでコストダウンを図ることがメリットとなります。一方でホームネットは戸建住宅のノウハウがなく、東名阪と札仙広福だけの展開のため、ローカル県の有力ビルダーと組むことは、お互いの領域を侵さずにシナジーを生むこととなるでしょう。

ビルダー同士のM&Aというと、買われる側の会社が「事業承継が上手くいかない」「経営が行き詰っている」などのネガティブな理由を持っていることも少なくありません。その一方で、現在は大きな問題を抱えていなくても、中長期的な市場の変化に対応するために、買う側と変われる側の両方のメリットが大きい、ポジティブなグループ化が増えてくるかもしれません。


(情報提供:住宅産業研究所)

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