近年のハウスメーカーでは、アウトドアリビングやグリーンを住宅に取り入れた提案など、自然回帰をコンセプトとした商品を打ち出しています。
“屋外”“グリーン”が住まいにもたらす効果に注目集まる
アウトドアリビングは、バーベキューなど屋外ならではのアクティビティーを体験できることが特長です。
旭化成ホームズでは、2016年頃よりこのアウトドアリビング提案に注力してきました。キャンプに出掛けなくとも、一定の広さを有するベランダや屋上を用意することで、日常の中でも気軽に自然を体感できるという独自の提案です。現在では、玄関のアプローチ空間を活用した「のきのまent」という提案もスタートしています。
また、グリーンに関しては近年、この効用について注目されています。グリーンが人にもたらす効果を研究する愛媛大学農学部の仁科弘重教授によると、室内に植物を置くことによって、室内に潤いが生まれ人は心が癒され、より快適に過ごせる効果があるとのことです。
同氏はこれを「グリーンアメニティ」と称し、主に熱環境調節や快適性向上効果、心理的効果、視覚疲労緩和、回復効果、空気浄化効果といった効果があるという論文も発表しています。
半屋外空間でリゾートの心地よさ演出
三井ホームはこの4月、新商品「LANGLEY（ラングレー）」を発売しました。四季折々の風や光とともに暮らす、くつろぎの住まいがコンセプトの商品です。商品名は、豊かな自然に囲まれた美しいカナダのブリティッシュコロンビア州にある都市、「ラングレー」が由来。年間販売目標を100棟とし、坪単価は100万円を想定しています。
ラングレーの第一弾となる展示場は、東京都杉並区の浜田山モデルハウス。同モデルのファサードは水平に伸びる軒のラインと、味わい深いウエスタンレッドシダーで製作したウッドパネルが醸し出す素材感が印象的です。窓サッシは北欧のパイン材を用いた総木製となっており、観る者に木のやすらぎを感じさせる設えとなっています。
また、ラグジュアリーリゾートで見られるような室内と室外がボーダレスに一体となった空間「ラナイ」がラングレーの特徴となっています。「ラナイ」とはハワイ語で、「半戸外空間」を意味しており、ラングレーにおいても、ハワイの明るく爽やかな、そして清潔感のある気持ちの良い空間を演出しています。ここにグリーンを配置することで、居住者がより自然を感じられる空間となります。
構造体は同社独自のプレミアムモノコック構造を採り入れ、耐震等級最高の3を確保しながら、天井高はハウスメーカー最高クラスの3mを標準採用としました。この高天井の空間は半屋外エリアを含めた全体に適応することで、拡がりを感じさせる空間を実現しました。
住宅にグリーンを採り入れた“ボタニカルリラクゼーション“
三菱地所ホームはこの6月、植物や自然の要素を取り入れたライフスタイルを提案するモデルハウス「浜田山ホームギャラリー」をオープンしました。
このギャラリーの特長は、建物外周のコーナー部に採用した最新構造技術「3Dティンバーフレーム」と、内装にリラックス効果やコミュニケーション促進効果、空気清浄効果等が期待できるグリーンを採り入れた新提案「ボタニカルリラクゼーション」です。
同展示場では、実際にキッチンでハーブを栽培しており、料理に活用する提案や、犬猫の食用ワンニャン草を住宅内に植えられる提案を盛り込んでいます。
同社が打ち出す「ボタニカルリラクゼーション」は、建築計画の際に後回しになりがちなインテリアグリーンを、顧客のライフスタイルや感性を考慮しながら、効果的な配置やボリューム、風の通し方や照明の当て方などをデザインすることです。
また、植物を活用したグリーンニッチやグリーンベンチ、グリーンシェルフなどグリーンとファニチャーを融合させたオプション商品も取り揃えています。
ボタニカルリラクゼーションを導入することによって期待できる心理面での癒しと、標準装備となっている全館空調システム「エアロテック」による温度差の少ないきれいな空気環境による身体的な癒しを組み合わせることによって、心身共により快適な生活が送れると訴求しています。
（情報提供：住宅産業研究所）
