大手ハウスメーカーのリフォーム施策
リフォームの市場規模は堅調に拡大しています。
住宅リフォーム・紛争処理支援センターによると、
リフォーム市場規模(耐久消費財・インテリア商品等の
購入費を含まない狭義の金額)は、
2024年に約7.0兆円に到達しています。
この内、「設備等の修繕維持費」が約6.53兆円と全体の93%、
「増築・改築工事」が7%を占めています。
早期からこの情勢を見据え、大手ハウスメーカーでは、
かねてよりリフォーム事業に注力してきました。
自社オーナーのアフターフォローを強化する中で、
アフターサービス、メンテナンスを徹底し、
リフォームを積極的に受注してきました。
その背景には、各社が販売棟数で隆盛を誇った年代
(1990~2000年代初頭)に
建築された住宅が築20年を超え、
リフォーム適齢期を迎えていることも挙げられます。
新築住宅事業の成長が難しい中、
ストック活用を強化するのは自然な流れで、
強固な顧客基盤を築いてきた企業ほど、
その期待感は大きいと見られます。
数十万戸という自社オーナーのストックの規模や、
これまでに追求してきた
顧客満足度向上に対する姿勢などを踏まえると、
大手ハウスメーカーは
ストック市場での優位性が高いと言えます。
こうした中、アフターやリフォームの取り組みを
より洗練させていこうという動きが強まっています。
パナソニック ホームズはリフォーム事業を強化する過程で、
リノベーション展示場にも挑戦しています。
2025年4月に大阪府堺市の総合展示場を改修し、
リノベーション展示場としてオープンしました。
リフォームの相談ができる施設として、
築12年の建物を改修した事例をリアルに体感できます。
また、リフォーム内容としては
内装や設備を更新する一方で、
元々の外壁のキラテックタイルや
サッシなどはあえて残しています。
来場者に対してリフォームによる変化の面白さや、
キラテックタイルの時間が経っても
持続する美しさについても訴求できる拠点となっています。
■リフォームで新築並みの性能獲得へ
ストック分野において注目度が
徐々に高まっているリフォームが、
「断熱性能」に関する工事です。
住宅業界では、断熱性能向上は
以前から主要テーマの一つでした。
近年は新築の住宅商品において「断熱等級6」を
標準化するケースも出てきており、
断熱性能が加速度的に上がってきています。
高断熱住宅を購入した顧客のSNSでは、
「冬でもTシャツ一枚で快適」といった
投稿を目にすることも増えました。
近年は光熱費が上昇していることもあり、快適性だけでなく
経済性も向上させたいと考える顧客が増えるのも当然です。
しかしながら、温度や断熱性能の効果は
見た目では分かりにくく、カタログや図面だけでは
効果が伝わりにくいというのもボトルネックとなっています。
LIXILなどの窓メーカーでは自前のショールームを用意し、
平成や昭和のころの住宅の断熱性能を
再現したコーナーを設けるなどで対応しています。
大手ハウスメーカーも断熱性能の訴求に挑戦しています。
例えば、住友林業のリフォーム事業を担う
住友林業ホームテックでは、
AIと熱センサーを用いて住宅の断熱状態を解析し、
改修工事前後の断熱性能スコアとして
可視化する仕組みを2023年より導入しています。
目には見えない断熱改修工事の効果を、
顧客が直感的に理解できることは、
納得度を高める上で重要な取り組みです。
■リフォームパック商品の動向
大手ハウスメーカーでは、リフォーム事業と
新築事業の両事業での商品開発や、
企業間連携といった取り組みも進んでいます。
前者においては、例えば、
旭化成ホームズがオーナー向けリノベーション提案
「余白の在る家 The Renovation」を
2025年9月に発表しました。
これは2024年5月に発売した
新築商品「RATIUS|RD 余白のある家」の
コンセプトを活用したもので、
プライバシーと開放感を両立させる
空間提案をリフォームに応用しています。
またプライム ライフ テクノロジーズでは、
エクステリアのリフォームの新メニューである
「e-Flexterior(イーフレクステリア)」を開発。
グループの住宅3社
(パナソニック ホームズ、ミサワホーム、トヨタホーム)
にて取り扱いを始めました。
新築時、子育て期、シニア期、世代交代期の
4つのライフステージに分けて提案していくもので、
ライフサイクル全体に対応した
リフォーム商品となっています。
(情報提供:住宅産業研究)