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2016年09月12日

新ブランドやリフォームも相次ぐ富裕層向け展開商品・トレンド,市場動向,ハウスメーカー,リフォーム・リノベーション

mba

前回は、住宅メーカーによる富裕層向けの商品展開をご紹介しました。今回は、富裕層向けの新たなブランド展開と、異業種である百貨店のリフォーム事例をご紹介します。

こだわり派の富裕層向け新ブランド展開


三菱地所ホームは、新築注文住宅事業の成長戦略の一環として、住まいへのこだわりが強い富裕層向けのフラッグシップブランドとなる「オーダーグラン」を始動させました。


三菱地所ホームでは、注文住宅の事業ブランドを「ワンオーダー」に統一。ワンオーダーの中の特別注文住宅として、鉄筋コンクリート造を中心とした工法を問わない注文住宅の「エクストラ」と、木造ツーバイフォー工法住宅の「オーダーグラン」の展開を新たに開始しました。


「オーダーグラン」のブランドコンセプトは、「世界にひとつを極める都市型邸宅」というものです。都市に住むエグゼクティブクラスのユーザーや、その家族が暮らしの中でリラクゼーションを実感できる新たなライフスタイルを提案するということです。


「オーダーグラン」では、経験豊富な設計スタッフの中から、高度な設計ニーズに対応できる特別設計者を選定し、富裕層の住まいのこだわりに対応します。プライバシーとセキュリティに配慮したファサードデザインや、外部空間とつながった「アウトドアリビング」、バルコニー空間と合わせたホームスパ等も設置可能で、ゆとりのある室内空間を実現します。


また、「ポーゲンポール」や「ジャクソン」等、世界でもトップクラスのブランドの最高級・最高品質の仕様・設備を厳選して採用するということです。


坪単価の目安は約120万円で、1棟単価は6,000万円以上を想定しているということです。三菱地所ホームでは、初年度の販売目標を50~80棟としています。

異業種からの参入本格化 富裕層向けリフォーム


リフォーム市場の成長による将来的な需要拡大を見込んで、富裕層の個人向けリフォーム事業に大手百貨店が続々と参入しています。


髙島屋グループでは、2014年5月に髙島屋グループの「髙島屋スペースクリエイツ」内に一般住宅向けのリフォーム部門を発足させ、個人向けリフォーム事業を強化しています。


百貨店でのリフォームといえば、従来は店舗内で壁紙を販売したり、売り場の一角に相談コーナーを設け、リフォーム会社へ取り次ぐというケースが一般的でした。


髙島屋では、帝国ホテル等の高級ホテルの内装工事を手掛け、ラグジュアリー空間の施工を得意とする完全子会社の髙島屋スペースクリエイツが個人向けリフォームの施工を行うことで、完全に自社でリフォームを行うことが可能となりました。


リフォーム受注を獲得するのは、髙島屋の外商マンによる営業活動です。富裕層の顧客と密接なパイプを持っている外商マンが、自宅の老朽化や生活面での不安、不便な箇所等の相談を受け付け、グループ内の内装工事技術やノウハウを生かしたリフォームを提案します。


様々な商品に精通している外商マンの強みを活かすことで、より顧客の希望に近い設備機器やインテリアを集めることが出来るということです。


平均受注額は、約400万円にもなるということで、髙島屋では、3年後を目途にリフォーム事業の売上高を25億円まで伸ばす計画だということです。


そごう・西武では、リフォームを検討している顧客向けの相談サロンを西武池袋本店に6月下旬より設置しています。


そごう・西武のリフォーム相談サロンである「くらしのデザインサロン」には、インテリアコーディネーターや一級建築士の「サロンコンシェルジュ」が常駐し、リフォームの相談に対応します。


「くらしのデザインサロン」は約200㎡の広さで、老後の生活に備え始めた50~60代のお金と時間にゆとりのある世代をターゲットに、新しいライフスタイルの提案の場として運営されています。


サロン内にある「リノベーションハウス」というコーナーは、子供がすでに自立したシニア夫婦の二人住まいを想定した空間になっており、リフォーム後のイメージを体感できるスペースが設置してあります。


その他には、約120万円のソファセットや、北欧製の蛇口等の高級品が展示してあり、リフォームの設計・監理費の他に家具等を一緒に販売することで収益を増やす考えだということです。


また、リフォームの他にも、ファッションやヘルスケアの相談にも対応しています。そごう・西武では、初年度の売上げを7億円、2年目には10億円の売上げを目標に掲げています。

(情報提供:住宅産業研究所)

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