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太陽光発電の価格メリットで住宅を売る(後編)【2014年4月7日】

2014.4.7

○●○●○●○ 工務店MBA 最新業界ニュース ●○●○●○● 「太陽光発電の価格メリットで住宅を売る」(後編) ■「お得度」を数値化するシミュレーション ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 太陽光発電の訴求には、発電した電力を使用することによる 光熱費の削減や、売電収入による収入のメリットといった、 お得感の訴求が効果的です。 《前篇》でご紹介した千田工務店の事例では、 太陽光を搭載した全棟の実測データを 営業ツールとして活用しています。 滋賀県のやわらぎ住宅は、子育て世代の主婦層を ターゲットとしているビルダーで、 太陽光発電の搭載率は約5割です。 同社では太陽光発電を勧める際に、 4kW、8kW、10kWの3種類の シミュレーション数値を出して説明します。 まず4kWのシミュレーションでは、 家庭で消費する電力を発電で相殺して、 光熱費を安く抑えられると説明します。 8kWであれば、支払う光熱費と売電収入の収支を ほぼゼロに近づけられると説明します。 そして大容量の10kWを載せれば、 全量買取制度によって得た収入を、 住宅ローンの支払いの足しにできると説明します。 異なる3つの選択肢を説明することで、 顧客の購買力とライフスタイルに見合った 太陽光発電の容量を勧めています。 ■全量売電で消費増税の負担感を軽減 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 10kW以上の太陽光発電システムを搭載すると、 一般の住宅でも発電量を全量売電することができます。 先ごろ、今年4月からの 太陽光発電の買取価格案が発表されました。 一般の住宅用では37円/kWh、10kW超の事業用は34.6円です。 ここから試算すると、 10kWを搭載すれば月々30,000〜35,000円の 売電収入が期待できると見られます。 消費税が8%に上がってからも 住宅一次取得者の需要を喚起する策として、 10kW超の太陽光パネルを載せられる新商品を 投入するという住宅会社は少なくありません。 大手ハウスメーカーの商品では、 セキスイハイムの「スマート・パワーステーション」や パナホームの「エコ・コルディス」などが 10kW搭載に対応しています。 ■ビルダーの「売電収入≧住宅ローン」訴求事例 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ビルダーでも太陽光10kW商品を 投入するケースが増えてきました。 新昭和が今年1月に発売した新商品では、 全量買い取りの対象となる最低限の10kWよりも、 さらに大容量の太陽光パネルを搭載でき、 売電収入との相殺で当初20年間の住宅ローンを 実質0円にできると謳っています。 参考プランの中には、 20kW前後を搭載するプランも見られます。 例えば24kWを搭載した場合のシミュレーションでは、 延床面積約40坪・4LDKの2階建で、 月々のローン支払いは約7万6千円。 月々の売電収入は約8万7千円なので、 当初20年間は差額の約1万1千円が 実質の収入になるとしています。 大容量の太陽光パネルを載せるため、 屋根形状は片流れの大屋根で、 勾配天井の2階の南側には小屋裏収納を設ける といった間取りの工夫をしています。 また、限られた屋根面積を最大限に生かすために、 太陽光パネルは変換効率の最も高い機種を採用し、 出力保証は20年、機器の無償点検・修理は15年の 保証を付けています。 この商品は、住宅購入予算が少ない若年層を ターゲットとした価格訴求型の商品ですが、 富裕層向けにはセカンドハウスとしても提案し、 賃貸住宅のオーナー向けには戸建賃貸として提案する方針です。 販売開始から2ヶ月弱で200件超の 見積り依頼が発生していて、受注はまだ僅かですが、 新規集客には大きく貢献しているとのことです。 徳島県のフィットでも、昨年12月から、 大容量の太陽光パネルを載せて住宅ローンを 実質0円にできる商品「ソーラーリッチハウス」を発売しました。 太陽光パネルを最も効率的に載せられる屋根形状から 住宅を設計したため、自由設計ではなくプラン固定型の 企画住宅で、全12プランを揃えています。 主力商品は、2階南側を小屋裏収納にして 片流れの大屋根を採用した、延床面積30.3坪のプランで、 15.6kWの太陽光パネルを設置しています。 販売価格は建物と太陽光設備、付帯工事等で約1500万円。 徳島は土地が安いため、土地を購入しても 総額は2000万円強で収まると試算して、 月に約6万円の売電収入が期待できるため、 当初10年は住宅ローンを実質0円に相殺できるとしています。 カーポートにも太陽光パネルを載せれば合計20kW超となり、 売電による価格メリットはさらに大きくなります。 太陽光発電住宅は、省エネ性や売電のメリットに 注目されがちですが、フィットでは ライフスタイル提案型の訴求をしています。 住宅ローンに縛られて、余裕なく働くという価値観は 古い考え方であり、住宅ローンが0円にできれば、 暮らしに余裕ができる。 そうすれば、住宅以外のことにもお金を使って ライフスタイルを楽しむことができるという説明をしています。 大容量のパネルを搭載するとなれば、 建物の形状をシンプルにして、 屋根形状は片流れの大屋根に限られてきます。 ある意味、外観のデザインを犠牲にすることとなります。 差別化のためには、間取りの工夫や暮らし方提案、 インテリアコーディネートなどのアピールが、 より重要となるかもしれません。 (情報提供:住宅産業研究所)

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