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2026年の住宅市場展望~着工動向編

市場動向
2026.1.13

住宅市場は長期的に低迷が続いていますが、今年はどのような1年になるでしょうか。
2026年の住宅市場を展望する前に、2025年の住宅着工を振り返ってみます。


2025年の新設住宅着工は、数字が公表されている1~11月の累計で67.8万戸。
この時点では前年同期比で6.9%の減少です。
大きなトピックとしては、2025年4月に法改正がありました。
その前月に駆け込みがあり、
3月単月の着工戸数は前年同月比39.6%増と大きく膨らみました。
駆け込みからの反動減と建築確認申請の遅れによって、
4月単月では前年同月比26.6%減と落ち込み、5・6月は二桁減、
7~9月は一桁減、10月は若干のプラスとなったものの、
11月は8.5%減と再びマイナスに転じました。


11月までの前年同期比6.9%減を12月にも当て嵌めると、
2025年1~12月の住宅着工戸数は約74万戸と予測されます。
戦後の統計史上、最も住宅着工戸数が少なかったのが、
リーマンショックの影響を受けた2009年の77.5万戸でしたが、
その数字を下回ることが予測されます。


■持家は厳しい? 分譲は在庫調整から回復に向かう?


2026年の住宅着工戸数はどのように推移するでしょうか。


まずは持家の着工についてですが、
2024年の月次持家着工は2万戸を一度も上回ることなく推移しました。
2025年は駆け込みの3月には単月で2万戸を超えたものの、
1~11月の平均は16,700戸で、月間2万戸割れが常態化しています。


2026年も持家の着工が大きく上向くことは考えにくいでしょう。
トランプ関税の影響が一服し、企業業績などにはプラスの期待も持てますが、
物価の上昇は持続すると見られます。
実質賃金が上がらない状態もしばらく続き、
金利上昇も着実に進んでいくと思われます。
2026年も住宅購入を支援する制度が実施され、
住宅ローン減税も延長されますが、
それだけでは住宅需要は盛り上がっては来ないでしょう。
中長期的には、生産年齢人口の減少や未婚化もますます進むと見られ、
家を建てることには前向きになりにくいです。


ただし、持家着工戸数が減っても、
すべての住宅会社の着工戸数が等分に減るわけではありません。
現在の持家市場を牽引している一条工務店や
アイ工務店の勢いが急激に衰えることはないでしょうし、
各県・各エリアのトップビルダーの中には、
2024・2025年にかけても棟数を伸ばしたというビルダーは少なくありません。
強い会社がますますシェアを高め、弱い会社が規模を縮小していくという、
優勝劣敗の構図がより鮮明になってきます。


分譲住宅については、中高層(マンション)と低層(建売)に分けて考えます。


東京都内や三大都市圏、各エリアの主要都市のマンション販売価格は高騰し続け、
買える客層が限られてきています。
2025年1~11月の中高層分譲の着工戸数は前年同期比13.7%減と、
供給が抑制されています。このトレンドは2026年も続くものと思われます。


建売については、市場におけるシェアの高い大手分譲ビルダーの動向から推測します。
飯田グループの2025年度第2四半期決算では、
戸建販売戸数は大きく減少しましたが、利益は回復してきています。
完成在庫が減少し、在庫の循環が改善してきていることが窺えます。
オープンハウスの2025年9月期決算では、
契約件数・契約高が増加傾向で、利益率も改善しています。
高騰する分譲マンションに対し、
同社が供給する都市型の建売住宅の需要が旺盛なようです。
大手分譲ビルダーは、市中在庫の増加による在庫調整・供給の抑制から、
在庫を減らして利益率を改善し、供給を増やしてくることが考えられます。
2026年の建売着工戸数は若干の上向きで推移することが予測されます。


■新築住宅の高騰で貸家、中古住宅の需要高まる?


貸家の2025年1~11月の着工戸数は前年同期比5.1%減と、
持家・分譲と比べると減少率が小さいです。
貸家は住まい手の実需ではなく、地主や個人投資家、
企業向けの投資用住宅の要素が強く、
インフレの時期にこそ需要があると言えます。
住まい手から見ても、単身世帯や高齢者の増加から賃貸入居の需要は継続し、
新築購入のハードルが上がっているため、
賃貸に住むことを選択するファミリー世帯も増える可能性があります。
2026年も、持家・分譲と比較すると、
貸家の着工が大崩れする可能性は低いと思われます。


新築住宅市場が低迷する一方で、中古住宅市場は堅調に推移しています。
新築住宅を購入するのと比べると、
中古住宅を購入してリノベーションするほうが割安で、
現在の消費者の予算に合致しやすいと言えます。
2026年の住宅ローン減税の拡充では、
省エネ性能の高い中古住宅を対象に、借入限度額が引き上げられ、
控除期間が従来の10年から13年に拡充されます。
2026年は中古住宅の流通がますます活性化する年になりそうです。



(情報提供:住宅産業研究)

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