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ビルダー、リフォーム会社も職人を育てる時代

経営・人材育成
2025.6.24

累計900名の職人を輩出した分譲系有力ビルダー


埼玉県越谷市に本社を置き、年間3,000棟超の戸建住宅を供給するポラスグループ。
住宅の品質向上を目的に、自社の職人育成機関として1987年より
「ポラス建築技術訓練校」(以下、「訓練校」)をスタートしました。
これまで輩出してきた卒業生は、今年3月時点で累計900名以上に上ります。


職人育成の目的は、先述した通り、第一に「住宅の品質向上」です。
特に地震などの災害時に居住者の命を守るためには構造躯体の頑強さが必須の要素です。
同社では木造軸組において、既に「社員大工による100%施工」を実現しています。


訓練校では2つのコース、大工を目指す「建築施工系木造建築科」(以下、建築科)と、
多能工のように複数の技能習得を目指す
「建築内装系インテリアサービス科」(以下、インテリア科)を用意しています。


訓練校は全寮制です。
4月に入校し、1年でポラスの職人としてのいろはを学ぶことになります。
訓練時間は建築知識を学ぶ座学から実技、現場実習など合計1,400時間に上ります。
建築科であれば、7月までは座学中心に建築全般とポラスの家づくりを、
その後に実際の工事を学ぶこととなります。
工事の内容としては、まずフレーミング(建て方)です。
訓練校の敷地内にはフレーミングを練習する専用スペースも用意しています。


訓練校生にとって、技術向上のモチベーションの一つとなっているのが「技能五輪」。
これは木材の加工や組み立て技術を競う大会で、
ノミやノコギリなどを用いて、継手・仕口の加工といった伝統的な技術も活用します。
プレカット技術が進む現代ではありますが、
だからこそ、その基礎である大工の技術を身に付けることが重要と捉えています。
また、実際の施工現場においても、細かい納まりに活かされる技術もあります。
技能五輪は、23歳以下の職人のみ参加できる大会で、若手職人の登竜門とも言えます。
昨年はポラスから埼玉県代表として3名が出場し、全員が入賞しました。


同社では、社員職人の給与制度においても、このような技能五輪、技能グランプリの実績、
そして大工技能士といった資格取得など個人の技術力を評価軸の一つとしています。
この他、新築の完工検査など各種検査の合格率や指摘数、CCUSのレベルなども考慮しています。


リフォーム事業に欠かせない「多能工」


近年、リフォーム業界を中心に需要が高まっているのが多能工です。
この育成を得意とし、現在多能工の育成学校も運営している企業の一つが、
千葉県成田市の株式会社ハウジング重兵衛です。
同社は1899年に創業した老舗企業で、現在の代表取締役である菅谷氏は6代目。
事業としては水まわりや外壁塗装などのリフォームのほか、新築住宅も手掛けています。


重兵衛の多能工集団は、グループ会社である株式会社KENSHIに属しています。
2019年に分社化する形でこの会社を設立し、同年に職人の新卒採用もスタートしました。
在籍する職人社員は全員が多能工で、人数は30名規模、平均年齢は33歳と若いです。


同社の多能工と他社の職人とで異なる最大のポイントは、「マインド」です。
リフォームを依頼していただいたお客様に喜んでいただくために
どのようなマインドで接するべきなのか、
このマインド形成、成長を重視しており、定期的に研修も実施しています。
もちろん技術力においても、大工・設備・電気・解体・組立など
あらゆる工事をこなせる職人が揃っています。


同社によると、職人の成長を促進するために肝心なのは「評価制度」とのこと。
同社では「スキル評価」と「マインド評価」の2つの評価軸を設けていますが、
ここでも特に重視しているのはやはり「マインド評価」です。
そして、この評価方法の一つが「360度評価」です。
これは、職人各々が親方、同僚、後輩、リフォーム営業、現場監督、事務員など、
業務で関わる全員から評価を受けるというものです。
目標を明確にして自身の行動を見直し、長所はそのまま伸ばすことで、
給与にも反映される仕組みになっています。


重兵衛はこれまで培ってきた多能工育成のノウハウを活かし、
2024年に多能工職人育成学校「JMCA」(Japan Multi-Crafter Academy)を立ち上げました。
JMCAのテーマは「愛される職人を育み守る」。
カリキュラムはトイレコースとキッチンコースの2種類を用意しています。
期間は1ヶ月間で、いずれも最終日に卒業試験を行います。
この試験は実務を想定した内容で、訓練生はお客様への挨拶、現場養生、掃除、
そして工事を完了した後、商品説明、営業担当者への工事完了報告までを行うこととなります。
もちろん仕上がり品質が高ければいいということではなく、
お客様対応が徹底できないと合格できません。
多能工としてのスキルだけでなく、マインドの育成も期待できるJMCAは貴重な存在です。



(情報提供:住宅産業研究)

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