集客効果を上げるための展示場の工夫
他社と手を組み集客の最大化を狙う
住宅業界では集客の減少が1つの課題となっています。
スマホやSNSの普及により、インターネット上で家づくりに必要な情報を集めることや、
自分に合いそうな会社を選定することが可能となり、
過去のように「とりあえず展示場に行ってみよう」という人が減ってきたことなどが、
集客減の理由としては挙げられます。
この状況に対して多くの住宅会社が、来場特典を増やす、
来場予約キャンペーンを行うといった対策を行っていますが、
そういった方法以外にも、集客における工夫を見ることができます。
今回は、集客減が進む中での展示場施策の事例を紹介していきます。
まずは、「他社と手を組む」という方法です。
例えば、岩手県のリベストが主体となって開催している「奥州いえ博」。
このプロジェクトは、岩手県奥州市の地元ビルダーが協働で合同展示場を設けるというもので、
会期終了後は分譲住宅として販売を行います。
2019年から定期的に開催され、2025年7月で4回目。
どの回も集客は好調なようで、初回の来場者数は初日2日間で1,000人を超えたと言います。
ライバル会社とあえて手を組んでいるという会社もあります。
デザイン性を強みとする滋賀県のマルショウホームデザイニングは、
同じくデザイン性を強みとし、競合することが多いという会社と手を結び、
それぞれがデザインにこだわったモデルハウスを隣接して建てる展示場を開設。
デザインにこだわりのあるお客様の集客最大化を狙います。
地場のビルダーとハウスメーカーが手を結ぶという例もあります。
山形県に本社を置くウンノハウスは、
全103区画の大型分譲プロジェクト「桜づつみサウススクエア」を展開。
ウンノハウスはそのうちの30区画ほどを手掛け、
そのほかの区画は積水ハウス、住友林業などの大手ハウスメーカー6社によるものとしました。
これにより、ハウスメーカーの物件を見に来た人にも、ウンノハウスをアピールすることができます。
性能体感型のモデルハウスを活用
展示場は「建物を見せる」ためだけの場所ではなく、
「性能等を体感してもらう」ための場所という顔も持つようになってきています。
その分かりやすい活用方法が、宿泊体験型モデルハウスです。
コロナの影響もあって、一時期は下火となってしまいましたが、
昨今、またその取り組みが散見されるようになってきました。
ハウスメーカーで言えば、セキスイハイムなどがそのような取り組みに力を入れているほか、
各県の地場ビルダーでも宿泊型モデルハウスを見ることができます。
性能を強みとする会社は、お客様に自社の建物で1日を過ごし、
その快適性を味わってもらうことができれば、大きく訴求力向上に繋がります。
また、モデルハウスという、しつらえ等に力を入れた建物で過ごすことは、
SNS上における「映え」にも繋がりやすいと言え、宿泊者に積極的に情報発信をしてもらい、
認知度向上に繋げるといった活用方法も考えられます。
宿泊型モデルハウス以外にも、「体感」のための施設を設けている会社も多くあります。
例えば、岡山県のトップビルダー、
ライフデザイン・カバヤは体験型ショールーム「構造Lab.」を2025年4月にオープンしました。
このショールームは、2024年10月発売の住宅商品「CLT MASTERS」に
採用している同社オリジナル開発の「CLTハイブリッド構法」によって建築されています。
あえて構造躯体を一部現しにすることで、通常は壁の中に隠れてしまう部分の展示を行っています。
従来の展示場との違いは、
映像や模型を用いてCLTをはじめとした木造建築の見えない部分を
詳しく知ることができるところです。
建物内に様々なブースを設け、
耐力壁として組み込まれた「CLTハイブリッドパネル」の実物に手を触れたり、
振動台実験を再現した構造模型を通じて耐震性を体感することが可能で、
同社の住まいについて、詳しく知ることができます。
ただ「見せるため」の展示場では、人が集まりづらくなってきている今の住宅業界。
体感できるなどの「エンタメ性」も交え、
足を運んでもらえるようにすることも大切かもしれません。
(情報提供:住宅産業研究)