最新!リフォーム業界勢力図
近年、盛り上がりを見せているリフォーム業界。
政府からの支援策として、事業予算が2,000億円を超える
リフォーム補助金「住宅省エネ2025キャンペーン」もあり、
消費者目線でもリフォームを検討しやすいタイミングです。
独立系と言われるリフォーム事業を専業とする会社も業績を伸ばしています。
リフォーム業界の元気印は?
独立系のリフォーム会社の中で、最大手と言われるのは愛知出身のニッカホームです。
2025年3月期の売上高はグループで700億円を超え、
ニッカホーム単体でも365億円と断トツの実績です。
同社最大の強みは、積極的な新規出店です。
既存エリアにおけるドミナント出店と新規エリアへの出店を同時並行で進め、
2025年度内には30都道府県で計110店舗体制となる計画です。
また、利益貢献にもつながっているのが、社員職人の存在です。
自社での「多能工」型の職人育成にも注力しており、水まわりの設備交換や解体、
軽微な大工工事まで複数の工程を1人で対応できる人材を増やしています。
これにより、現場ごとの職人手配の効率化や工期短縮、
コスト削減のほか、品質管理や顧客対応力の向上にも寄与しています。
ニッカホームに次ぐ業績をあげているリフォーム専業企業は、
大阪の2社、アートリフォームとナサホームです。
特に前年からの増収幅が大きかったのが、吹田市に本社を構えるアートリフォームです。
直近2025年7月期の売上高は、
前年から14%増となる101億円と、同社初となる100億円超を達成しました。
増収要因はリフォーム案件の大型化です。
同社ではこの数年、自社ホームページやSNSにおいて
「リノベーション」に関する情報を積極的に発信し、
来場ベースでもリノベを検討する顧客が増えているようです。
実際に直近のリフォーム平均単価は200万円で、前年から50万円上昇しました。
技術面と提案力で顧客に安心を提供することで、順調に受注を伸ばしています。
ナサホームの2025年3月期売上高は、前年比9%増の99億円でした。
2024年は大和ハウスグループの傘下に入ったことが話題となりましたが、
事業面においても新規出店を推進し、増収につなげています。
今は大和ハウスグループとの情報交換も進んでおり、今後のシナジーが期待されます。
そして大阪2社の売上高に次ぐのが、関東のOKUTAやホームテックです。
これら2社は前年から10%以上の増収と、順調に業績を伸ばしています。
注文が楽ちん! 急成長中のネット完結型リフォーム会社
多くのリフォーム会社が対面での接客を行っている中、
WEB完結型のリフォームサービスで差別化を図るのが、交換できるくん。
会社名の通り、トイレやレンジフード、ビルトイン食洗機など
住設機器のリプレイス工事に特化しており、10万円台の案件が中心です。
2025年3月期の売上高は、前年比36.1%増と伸ばして102億円で着地しました。
同社のサービスの強みは大きく3つあります。
1つ目は、6万ページに上る自社ホームページの情報量です。
サービスを始めてから20年以上に亘って蓄積されてきた
施工事例やユーザーアンケートなどを公開しています。
これらが顧客の安心感にもつながっているとのことです。
2つ目はWEB完結型での高い見積り品質と対応品質です。
顧客からの問い合わせについては、電話オペレーターが応対します。
現地調査についても、顧客宅に訪問するケースはほとんどなく、
顧客が自身のスマホなどで既存部位を撮影し、
この画像データを基に工事の段取りを行います。
レスポンスも速く、見積もりは当日、
もしくは翌営業日には届くようになっています。
3つ目が、高い施工品質です。
これは事業を設備リプレイスに限定しているからこそでもあります。
例えばトイレの工事を1日に3件、4件と複数こなす職人については、
施工精度、品質の向上が早いと言えます。
顧客は40~50代が中心です。
サービスの手軽さと品質の良さが好評で、リピーターとなるケースも多いようです。
この9月時点での営業エリアは関東、東海、関西の3大都市圏のほか、
札幌、仙台、広島、福岡としています。
2024年7月には、豊橋・浜松エリアにも進出しました。
今後も既存エリアの周辺にある人口の多い地方都市へのエリア拡大を継続して進めていく予定です。
(情報提供:住宅産業研究)