【工務店MBA】建築業界の最新ニュース(H21 6/29号)
MBA
2009.6.29
今回のテーマ:住宅着工総括〜伸びている市場はどこか? 後編 09年06月29日
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━【工務店MBA】建築業界の最新ニュース
発行:株式会社ナック
工務店MBA事務局
/www.home-builder.jp/
TEL:03-3343-3000
日下部 興靖
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━工務店MBA事務局
/www.home-builder.jp/
TEL:03-3343-3000
日下部 興靖
お世話になります。ナックの日下部です。
最近、資料請求ツールパックのネタばかりで、
興味のない人にとっては、本当に申し訳ないです。
(T_T)
でも、これをやろうと思ったことで、色々なテクニックを
勉強することができました。
そして、現在それらを実践しています。
それが、結構楽しいんですよ!
(^_^)
例えば・・・私から皆様への提案書
で使っている、電子ブック(e-book)もその1つです。
この提案書を皆様に読んでもらいたいから作った、
というよりは・・・
電子ブック(e-book)を使ってみたいので、
土日も休まず提案書を作ってしまった感じです。
見え方も、PDFで送るよりも電子ブック(e-book)
の方がいいですからね!
(^_^)
●実は電子ブック(e-book)はこんな使われ方をしている!
最近、電子ブック(e-book)は、色々な出版社が
取り入れていています。
これにより、漫画や雑誌などの書籍の販売方法が
変わってきているそうです!
どう、変わってきてのかと言うと・・・
雑誌や漫画など、発売と同時に無料で電子ブックにして
公開してしまうのです。
発売と同時に、漫画などがネットで無料で見れちゃう
そうです。
話の途中まで見れて、最後のいいところが見れないようにして、
漫画を売る仕組みではないんですよ!
全部見せてしまうそうです!
(>_<)
「そんなことしたら、漫画が売れなくなるだろう〜?」
と思うのですが、実際には今までよりも売上が伸びたそうです!
●情報を公開する事で売上が伸びる!
本や雑誌、漫画などが内容を公開することで売上を
伸ばす事ができるなら、工務店だって同じだと思うんですよね?
どんな会社なのかわからないよりも、
しっかりとわかっている会社の提案に、
お客様も興味を持ちますからね・・・。
既にホームページなどでも、社長や営業マンが
顔を出すのは当たり前になっています。
どんな家を建てているのか、いくらかかるのか、
どんなステップで家づくりが進むのか、
いつ見学会をやっているのか・・・
お客様は様々なことをホームページをチェックしてから、
行動するようになりました。
なので、見せなきゃ損です!
資料請求ツールも、ホームページも、見学会での
展示方法も、どうすれば自社の魅力を伝えられるのか
しっかりと考えて、タイミングよく見せていく事が重要に
なってきています。
ただ、建物が見れるだけの見学会やモデルハウス。
これでは、家を購入しようとしているお客様が、
次のステップに進みづらくなっているんですね。
どう見せるか?
何を見せるか?
いつ見せるか?
情報発信する内容だけではなく、伝えていく媒体や
タイミングも大切なんですね・・・。
私も、そんな観点から電子ブック(e-book)には、
少し期待しています。
どのみち、この不況でライバル会社と同じ事をしていては、
勝ち残る事ができません。
だから、色々な媒体を使って、どのようにアプローチすれば
いいのかを、テストマーケティングして行こうと思っています。
(^_^)
テストしてみて、
成功したこと。
失敗したこと。
どっちも、メルマガで報告するようにしますね!
○●○●○●○●○ 工務店MBA 業界ニュース ●○●○●○●○●
今週のテーマ「住宅着工総括〜伸びている市場はどこか?」後編
3.都市部の着工回復が望まれる分譲住宅
分譲住宅は20年度27.3万戸の着工数で、19年度比の増減率は▲3.5%。
タイプ別には中高層マンションが4.1%増の16.2万戸、
戸建分譲(建売住宅)が▲12.0%の10.7万戸
という結果となりました。
戸建分譲は2年連続の減少で、18年度比では▲23.0%と、
2割以上減少しています。
4.1%増となったマンションも、18年度比では▲32.3%。
県別で見てみると、18年度比がプラスになったのは
静岡、青森、沖縄、山形、山梨、宮崎の6県のみ。
あとの41県はマイナスで、そのうち18県は▲50〜▲80%と、
状況は戸建以上に深刻です。
下記に戸建分譲の着工数増減率、戸数、床面積上位県を挙げました。
増減率では市場規模の小さい地方県が上位に並びました。
19年度より戸数が増加したのは、下記の5県と
滋賀、福井、香川の8県のみです。
着工数上位の大都市圏では、いずれもマイナス成長。
特に千葉県は▲24.3%と全国6位の下落率を記録し、
1万戸の大台を割ってしまいました。
床面積の上位県には、前回掲載した持家の床面積上位県とは
異なる県名が並んでいます。
沖縄、長野、山梨等は別荘や移住など、富裕層の需要を
狙った分譲住宅が多いためでしょう。
全国平均の床面積は、18年度106.4平米、19年度105.9平米、
20年度104.7平米と徐々に縮小。
これは持家と共通した傾向であると言えます。
今後の建売市場では、「コンパクトながらも住みやすい」
という間取りや収納の工夫がますます重要になってきそうです。
◆戸建分譲増減率上位(%) ◆着工数上位(戸、%) ◆床面積上位(平米)
県名 19年→20年(18→19) 県名 戸数 (19年→20年) 県名 床面積
青森 30.6 (▲32.7) 東京 15,845( ▲8.3) 沖縄 125.4
佐賀 15.9 ( ▲6.9) 神奈川 13,888( ▲9.5) 長野 124.1
熊本 13.7 ( ▲2.6) 大阪 12,789( ▲9.9) 島根 123.9
山口 9.1 (▲17.5) 埼玉 11,379(▲17.5) 山梨 121.8
長崎 8.2 (▲12.0) 千葉 8,372(▲24.3) 富山 121.5
4.不況下でも伸びる戸建賃貸
20年度の賃貸住宅(官舎や社宅等の給与住宅を含む)
着工戸数は45.6万戸。
19年度からは3.3%の増加となり、持家や分譲が
マイナス成長の中、20年度の市場牽引役を果たしました。
とはいえ建築基準法改正前の18年度との比較では
▲16.7%と、回復には遠い状況となっています。
賃貸住宅のタイプ別着工戸数及び増減率は下記の通り。
19年度比増減率は、中高層1.4%、低層4.5%、戸建2.4%
と大きな差はありません。
しかし18年度→20年度の増減率は、
タイプごとに大きな差が見られます。
中高層賃貸は▲33.6%と、法改正前の基準に
遠く及ばない状況。
低層賃貸は、住宅着工全体が20%近く
落ち込んだ中で▲2.4%に踏みとどまり健闘。
戸建賃貸は住宅大不況の19年度に0.8%と僅かながらも
増加した上、20年度は更に増加し、18年度比で3.2%増
となりました。
◆平成20年度賃貸住宅着工戸数及び増減率(戸、%)
戸数 19年→20年 (18年→19年) 18年→20年
中高層賃貸 166,099 1.4 (▲34.5) ▲33.6
低層賃貸 289,737 4.5 ( ▲6.6) ▲2.4
(うち戸建賃貸) 8,426 2.4 ( 0.8) 3.2
県別に賃貸住宅の着工動向を見てみましょう。
中高層の増減率首位は、19年度に大きく減らした山形県。
4位の奈良県は19年度の落ち込み以上に回復し、
18年度と比べても3割以上増加しました。
低層賃貸の増減率首位は京都で、4割近くの伸び。
埼玉や東京といった大市場でも回復が見られました。
奈良は中高層、低層ともに上位に入っており、
賃貸住宅全般が好調でした。
ここ数年で同県の工場誘致が増えた影響もあるかもしれません。
◆中高層賃貸増減率上位(%) ◆低層賃貸増減率上位(%)
県名 19年→20年 (18年→19年) 県名 19年→20年 (18年→19年)
山形 69.8 (▲62.7) 京都 39.5 (▲14.0)
高知 55.9 (▲28.0) 沖縄 37.2 (▲36.5)
茨城 35.3 (▲46.5) 奈良 21.4 (▲15.5)
奈良 34.3 ( ▲2.4) 埼玉 19.0 (▲10.8)
栃木 31.8 (▲35.9) 東京 17.3 (▲16.3)
戸建賃貸の増減率、戸数、賃貸住宅に占めるシェアの
上位県は下記の通りです。
和歌山や徳島は年間着工数が50〜100戸程度と母数が小さいため、
増減率の振れ幅も大きくなってしまいます。
注目は、戸数ランキング首位の愛知県で、
19年度の288戸から倍増以上の伸びとなりました。
着工戸数2位は東京。
シェアは0.6%ですが、23区を除けば1%近くまで上昇します。
シェアの上位は北東北、四国、九州勢。
特に岩手と青森はシェア10%超、戸数300戸超で、
戸建賃貸の安定市場と言えます。
◆戸建賃貸増減率上位(%) ◆着工数上位(戸、%) ◆シェア上位(%、戸)
県名 19年→20年(18年→19年) 県名 戸数 (シェア) 県名 シェア (戸数)
和歌山 292.3 ( 0.0) 愛知 589 ( 1.6) 岩手 12.7 (344)
徳島 105.8 (▲5.5) 東京 420 ( 0.6) 青森 11.3 (304)
愛知 104.5 ( 1.1) 北海道 406 ( 2.0) 徳島 7.8 (107)
大阪 53.4 (▲7.9) 福岡 350 ( 1.4) 宮崎 7.6 (246)
三重 40.4 ( 15.6) 岩手 344 (12.7) 鹿児島 6.5 (335)
戸建賃貸の平均床面積は、持家や戸建分譲の縮小傾向と
逆行するように年々拡大しています。
平成15年度からは<92.1→96.9→96.5→98.1→95.6→100.6>と、
20年度はついに100平米を突破、5年間で8.5平米の拡大となりました。
また10年前の平成13年度は79.4平米でしたから、
20平米以上も拡大していることになります。
面積の傾向だけで判断できるものではありませんが、
戸建賃貸には持家に近いグレードが求められつつある
ということかもしれません。
最近は「一生賃貸でもいい」という人も増えていますから、
賃貸住宅が多様化し、ハイグレードな戸建賃貸が増えるのも
当然の流れと言えるでしょう。
(情報提供:株式会社 住宅産業研究所)