岩手県 株式会社千田工務店 千田様

実践者の声

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企業名 株式会社千田工務店 ホームページ http://www.chidakoumuten.co.jp/


千田工務店って、どんな会社ですか?

chida007.jpg 昭和55年、千田孝道が創業して今年で34年。
全棟に太陽光発電やオール電化の設備を標準装備。SOLAシリーズはその設備で光熱費0(ゼロ)を可能にしています。「家づくりをきっかけとして、地元岩手を元気にすること」をミッションに、太陽光専門の住宅会社として年間40棟の実績を上げて現在に至る。

■創業:昭和55年  ■売上:10億3,159万円
■年間40棟受注  ■社員数:12名
■商圏:岩手県北上市を中心とし県内一円を商圏とする


Q. 千田工務店が目指しているものは?

112.jpg そうですね。「気になったらやってみる、実行してみる」というのが、経営には大事だと思うんです。この地域での家づくりは、光熱費も気にして、暖かくないとやっていけないんです。だからこそ、ゼロエネルギー住宅に取り組んでいこうと思ったんです。しかも、それを安い価格で。

しかし、正直難しいんですよ。これが。

でも諦めずに、岩手県で今、市場にあるサッシや断熱材等でゼロエネ住宅を実現するぞ!と思い、日々取り組んでいます。

《千田工務店の基準》

たとえば、布基礎の量が長期優良住宅だと増えてしまう、その布基礎を取り入れることで普通よりも50万円~80万円も価格が増加してしまいます。価格の増加分を他の設備で充当したとしたら、サッシや断熱の性能がグンと上げられるので、家の性能バランスが良くなり、快適な住宅提案ができるんです。

一方、世間では、パッシブを取り入れて、ドイツに学べ、ヨーロッパに学べ、断熱・気密を良くしなければならない、トリプルサッシが一番良いなど、いろんな難しいことを言っている人がいます。「ドイツではこうだったよ」「へぇ~、そうなんだ」といったように、体験者に従わなければならないような雰囲気があるんです。私個人としては、鵜呑みにするのが好きではないんです。

だから、私もドイツに行きました。


Q. 実際に行ってみていかがでしたか?

実際に行ってみると、気候も違うし、日本よりも寒くないんです。

そこで、気付いたんです。必要以上に過剰な断熱材の厚みを採用していたり、湿気対策がなかったり、あとは、エアコンで冷暖房のみだったり、、、それらは何か違うのではないかな?と感じました。

ドイツの場合、国が定めた基準が、施工業者が守るべき最低基準だという考え方なんですね。各業者は、自らの基準を作って家づくりに取り組んでいます。長期優良住宅よりも圧倒的に基準を高くして、家づくりをしている現場を見ると、私たちもそういった高い基準で家づくりを提供していかなければならないなと思いました。

一時期は、長期優良住宅を県内で一番建てていると豪語していた時期もあったのですが、長期優良住宅では足りない部分があるかなと感じていましたね。


Q. 何がきっかけで、弊社とご縁をいただいたのですか?

2代目経営者として、先代と比べられないために、新しいことをしたいと思っていました。そして、結果を残したいと思っていたところ、たまたまナックさんを知ったんです。

講演会に参加したときに講師だったのが、安井建設の安井社長でした。話を聞いて、私と経歴が一緒で、33歳、B型、次男坊。そして、会社を引き継いだ境遇がとても似ていました。

経常利益率が全国でトップクラスということに驚きました。

安井建設をモデルにして、7年の苦労がひとつに集約されている内容があることを知り、その経験を吸収させてもらおうと思い、ナックさんと縁を持つことにしたんです。トップクラスの人と会った後は、自分の自信につながる。これ以上のことはなかったですし、安井社長との出会いは、経営者としてとても素晴らしいものだと思っています。

言葉では言い表しづらいですが、同じ経営者同士、気持ちの面でも人間性も勉強させてもらいました。こういったことって工務店にとっては自信につながります。

また、安井建設を知ることで未来が見えてきました。

なぜなら、長期優良住宅を導入することによって国が求めていることがわかり、自社の弱さや強さが明確になった。その「ものさし」はとても重要だなぁと感じています。工務店経営者として、安井建設は、比べる上でピカイチの会社ですからね。

Q. 今、取り組んでいることを教えてください。

chida002.jpg また、ナックさんとご縁をいただいた当時、千田工務店の社長に就任して日が浅かったんです。どちらかというと専務の時の実体験ですね。そんな時に、あるコンサルタントから・・・

「あなたは、2代目社長でしょ。3年間はあなたの実績じゃない。3年間は先代の実績だよ。勘違いするんじゃないよ。」という言葉に共感し、とりあえず、足場固めをしようと。

どちらかというと、現在は内部強化をして、経営者としてグッと我慢している状況です。早く3年経たないかなと、首を長くして待っていますよ、笑。

それと同時に、今、個人的に、「直観力」「判断力」「ものさし」を持たなければいけないと感じていて、それらを養うためにナックさんを含め外部研修に足を運ぶようになったんです。

対外的に見れば、1年目の社長も、30年目の社長も社長は社長。必死に社長としての有るべき姿に自分を高めている状況ですね。

上棟式やもちまきに力を入れているそうですね!? ちょっと話が飛んでしまうのですが、実家が天保時代に建てた家で、築200年くらいの長期優良住宅でした。でも、3.11の震災で大規模半壊してしまったんです。その時に、お宝出てこないかなぁと思って待っていたんです。

何が出てきたんですか?
出てきたのは、ビン、段ボール、ミノ、わらじ、昔の教科書、、、要はガラクタが出てきました。そこで思ったのですが、私たちが今大事にしているものって、100年後は、ガラクタなんですよ。PCやアイパッドなども一緒です。

唯一、棟梁の名前、施主名が書かれた棟札が出てきたんです。これって普遍的な価値だと思いませか?あなたのことを知らない末裔があなたと出会う瞬間なんです。そうお伝えすると、大体の方は上棟式はやってくれますね。

ナック会員の皆さんは優秀なので、契約~着工までイベントを開くことの重要性を理解してますからね。間にもう一つもちまきイベントを開くことによって思い出に変わるんです。

だからこそ、もちまき工務店として呼ばれたい。

一ノ関の場合、お祝い事のときに必ず餅まきをするんです。私たち千田工務店は、地域の文化を引き連れて、家づくりしていきたいと考えています。なぜなら、これが地域貢献につながるからです。そして、結果として、地域の信頼につながる。


Q. ナックに期待することってありますか?

工務店は孤独です。それをつなぐものとしてナックさんの位置づけは重要だと感じています。ナックさんの良さは、知らなかった知識やノウハウをどこよりも早く教えてくれる会社だと思っています。

ですから、これからも素晴らしい情報をいち早く私たちに届けてほしいと思っています。


Q. 今後の方向性をお聞かせください。

私は、2代目社長なので方向性というか、取り組みに関しては簡単です。マラソンに例えると、私は2区のランナーです。次の3区のランナーに、いかにバトンを渡すのかということを考えて、走り続けることですね。つまり、次のランナーに会社が健全な状態でバトンタッチすることです。

先代が残した経営理念「会社は小さく、しっかり、あたたかく」これを念頭において、会社を強くすることだけを考えています。

強くするということは、人を育てられる会社だと思っています。

人によっては、つまらない目標と言われるかもしれません。でも、長く強く会社を存続させるために、いかに強い会社に育てていくのかが目標ですね。そのために、やっぱり餅捲きを増やしていきたいですね、笑。

生活と家って切り離すことができないから、すべてのフォローをしてあげるのが工務店の役目だと思う。だから、こういったことを工務店向けにフォローしてくれるのはうれしいね。もっとこういうサービスの充実化を期待してます!(笑)

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千田社長、お忙しい中お時間を割いていただきありがとうございました。
取材日:2014年6月4日